TOEIC 360点という英語力でカナダに留学した私は、「環境を変えれば英語は伸びる」と信じて疑いませんでした。
しかし実際には、転校によって状況は改善するどころか、むしろ悪化していきました。
根本から基礎が不足している状態では、どんなに優れた環境下でも「時間とお金」に見合った成長にはつながりませんでした。
この記事は、私と同じ失敗を繰り返さないための判断材料にしてほしいという思いと、過去の自分に対しての反省の記録です。
半年通っても進学が見えない。私は転校を決めた
カナダに来た当初の私は、楽観的でした。
「現地で生活していれば、勝手に英語は伸びる」と思っていたので。
しかし、最初の壁にぶつかったとき、私は自分に何かが足りていないことに気づきました。
最初の語学学校で、6か月以内に「パスウェイプログラム(進学準備コース)」に参加することを目標に動いていました。このプログラムを利用して短大進学を考えていました。一定の水準の成績を取ればカレッジへ進める……はずでした。
しかし、最大の問題は各語学学校が示す「一定の水準」が明確でないことでした。
- 具体的にどのレベルに達すれば進学できるのか?
- 今の自分の英語のレベルでどのくらいかかるのか?
- この先いくらかかるのか?
学校関係者にもエージェントにも確認しましたが、返ってくるのは曖昧な基準ばかりです。
今振り返ると、実際にそのプログラムを受けてみなければ分からない部分も多いことも理解しました。
例えば、私が考えられる要因としてこれらは、個人レベルで全く違うと思います。
- 必要な期間
- 進学するコース
- 英語力や進級ペース
私の場合、パ−スウェイのコースに近づくまでに、1度進級テストで落ち、そこからなんとかUpper Middle Classまでは5か月かかりました。最後の1か月でようやく、IELTS試験を学ぶクラスに到達しました。
この時、パ−スウェイのコースを受けることは可能でしたが、尻込みして結局はIELTSのコースへ。
最後に参加したIELTSのクラスでさえ、「カレッジに進めるレベルには明らかに届いていない」という絶望的な感覚だけは授業を通して理解はできました。
次第に「自分は何のためにここにいるのか」が分からなくなり、学校に行きたくないという感情と同時にこのままでいいのかという思いが次第に自分の決断に迷いが出てきました。
「もっと厳しい環境なら伸びる」と考え、転校した
6か月が経って、私はついに転校という決断をしました。
「この環境が合っていないのではないか」と考え、
「もっとスパルタ系の学校に行けば、強制的に勉強する環境であればすぐ伸びるはずだ」
そして「自分を無理やり追い込めば、何とかなる」と結論づけました。
今振り返るとそれは完全に誤解で、悪手だったなと思っています。
問題は環境ではなく、私自身の「基礎能力不足」という土台そのものだったからです。
転校しても英語は伸びなかった。むしろ授業についていけなくなった
転校先の学校は授業レベルが高く、パスウェイプログラムに特化した場所でした。雰囲気も厳しく感じました。求められる英語力も高く感じました。
しかし、私の現実は何一つ変わりませんでした。
何とかパスウェイ準備コースには入れたものの、授業スピードは上がり、理解度はさらに追いつかなくなります。私がここで話すパスウェイ準備コースとはパスウェイコースに入る前の準備コースという意味でうす。
- 先生の言っていることがさらに聞き取れない
- 文法が理解できない
- 質問すらできない
- ディスカッションができない
- エッセイの書き方もわからない
結局、前の学校で起きていたことと同じ状態が、繰り返されるだけでした。
自信喪失による弊害:声が小さくなる
転校後、想定していなかった深刻な問題が私にはありました。
英語力以前の問題として、心理的に自分を追い込んでしまうとは予想しませんでした。
それが、「話す時に声が小さくなる」という現象です。
私はもともと、周囲からは社交的に見られることが多いのですが、かなり内向的な性格です。
英語が通じないまたは、聞き返される経験が積み重なり、言葉を発することへの自信を失い、どんどん声が小さくなっていきました。
今でもその名残りはあり、緊張した状況で英語を話すとき、相手に何度も聞き返されることがあります。もちろん就職面接や公共の場での発言は今でもこの症状はあり、課題です。
当時は過度に気にしてしまい、「話すこと自体が怖い」という状態にまで陥っていました。
気づき|足りなかったのは環境ではなく「基礎」
私は、TOEIC 360点前後で英語の基礎が十分ではありませんでした。
英語での授業を説明を聞きながら理解する力や、分からないことをその場で質問する力も不足していたなと、今なら理解できます。
私の場合、問題は学校を変えることでは解決できないものでした。
環境を変えること自体が悪かったのではなく、「自分の問題を環境の問題だと考えていたこと」が間違いでした。
むしろ転校のたびに自信と時間、お金だけが削られていきました。
「環境を変えれば伸びる」という考えは、最低限の基礎が揃った人にだけ成立する言葉だなと実感します。
転校する前に、私が確認しておけばよかったこと
もし、あなたが『転校したほうがいいのか?』と悩んでいるのであれば、私の経験をもとに、次の3点を一度確認してみてください。
① 何が原因で授業についていけないのか
当時の私は「自分の問題を学校や環境の問題だと考えていたこと」が原因でした。実際は、このようなことが足りておらず、授業についていけませんでした。これを明確にすると次の手は考えやすいかもしれません。
例えば、
- 語彙が不足しているのか
- 文法の基礎が足りていないのか
- 英語が聞き取れないのか
- 英語を聞いて理解できていないのか
- 分からないことを質問できないことなのか
まずは、なぜ授業についていけないのか分析してみる必要があります。
②転校したら、その問題は本当に解決するのか
例えば、「なぜ授業についていけない?」と感じたなら、
その原因は「基礎文法・語彙・リスニングが不足している」ことだったと考えます。
「学校を変えて、そのことは解決するのか?」と一度疑ってみる。
この分析を無視した結果、私はさらに厳しい環境に身を置けば、この問題は解決すると勘違いし、転校するという選択をしました。
転校してもその後の結果は変わらず、英語は理解できない、聞き取れない、質問もできないという状態でした。
もちろん、学校を変えたことで改善・成長するケースは個人的にはあるとは思います。
なので「転校すべきか」ではなく、本質は「今抱えている問題は、転校によって解決できる問題なのか」を明確にすることが大切だと、今の私は考えます。
③転校によって追加で失う時間とお金だけではない
「転校」によってお金はさらに掛かります。これまでの人間関係も再び構築し直すことに。
私自身、転校後このようなことを抱えました。
- 追加のお金:入学金、新たな授業費、教材費など
- 余分にかかる時間:入学までにかかる手続き、新たな授業に参加するまでの待機時間
- 新しい環境に慣れるための負担:授業の進め方、学校のシステム、交友関係
- 英語が通じないことへの精神的なストレス:たくさんのアクセントに慣れる必要がある
転校を考えるときは、「転校すれば良くなるか」だけではなく、自分がどのくらいお金や時間に余裕があるのかまた精神的にも余裕があるのか」まで考えておくべきだったと思います
次回予告|「バックアッププラン」として選んだワーキングホリデー
こうして、2つの語学学校を経験しても私の状況は改善しませんでした。 「進学は厳しい、他の道を探すしかない。」と考えた私が次に選んだのが、「ワーキングホリデー」です。
当時はそれを「バックアッププラン」と呼んでいましたが、今振り返ると、それは現実から目を背けるための「先延ばし方法」でした。
次回:【留学の現実③】ワーホリは救いではなかった──キャリアが崩れていく現実
